2016-03-27

さらば船橋オートレース場・5

 船橋オート最後のレース、特別GI共同通信社杯プレミアムカップ12R優勝戦。投票締め切りの合図音が聞こえると、
「ああ、ついに最後のレースが始まるのだな」
 と、胸に熱いものがこみ上げてきました。
 観客の大歓声の中、12Rがスタート! 最初先頭に立ったのは、地元船橋の青山周平選手。それに続くのは同じく船橋の永井大介選手。序盤からこのふたりのつばぜり合いとなりました。
 2周目、永井選手が先頭の青山選手をとらえます。ぐんぐん迫ってきて永井選手が内から差して先頭を奪いました。その後もこのふたりの先頭争いは続き、青山選手が抜き返しそうになる場面もありましたが、永井選手はなおも先頭を死守。激しいデッドヒートが繰り広げられました。
 8周回の熱き戦いで勝利をおさめたのは永井大介選手。船橋の選手会長を務め船橋を引っ張ってきて、廃止反対署名集めにも奔走した永井選手。まさに船橋の最後を飾るにふさわしい人が、船橋最後の優勝者となりました。(念のために書きますが、他の選手がふさわしくないというわけではないですよ)
 1万人を超える大観衆の前で、永井選手のウイニングラン。盛大な声援が飛び交うのを聞くと、永井選手は多くの船橋のファンから愛されていたのだなと、あらためて思うのでした。そしてこのウイニングランをもって、ここ船橋の地から独特のエンジン音が聞こえることは、もうなくなるのでした。

 私はこのレース、見事車券的中しました。この日のうちに大阪へ戻らなければならないので、私は払い戻しの列へと並びました。長蛇の列の中で、
「ああ、今日船橋へ見に行って本当によかった、このような興奮と感動を起こす素晴らしいレースを目にできて、私は幸せいっぱいだ」
 と喜びをかみしめる思いでした。
 すると観客から激しく「帰れ! 帰れ!」のヤジが発せられているのが聞こえました。確か今は表彰式をしているはず、いったい何があったのだ?と思いながら列に並び続け、ようやく払い戻しを終えると、私は再び走路のほうへと行きました。
 観客の帰れコールの原因は、おのずとわかりました。走路内の表彰式会場に、森田健作千葉県知事と松戸船橋市長が来ていたからでした。両者とも船橋オートの廃止を最終的に決定した張本人。そりゃ観客にとってはいい気がしないというものです。どの面下げてこの場に来られるのか、という思いの人たちがほとんどだったでしょう。
 森田知事は永井選手に賞状・賞金の授与をしていましたが、永井選手は終始ムッとした様子。握手も拒否して、決してナアナアの態度を見せなかった永井選手は、船橋の選手としての筋を通しました。

 このあと終了後イベントとして、走路の開放がおこなわれるとのことでしたが、あいにく私はもう大阪へ戻らなければならない時間となっていましたので、これには参加できませんでした。それでも最後に興奮と感動を与えてくれましたから、私はそれだけでも満足でした。
 ↓船橋オート最後の日の出走表・予想紙・車券。これらは記念品となりました。
 funabashi_ar31.jpg

 ↓全レース終了後のスタンド外観。かすかに夕暮れが差して、どことなく寂しげな雰囲気。
 funabashi_ar32.jpg

 2016年3月21日、65年の歴史を紡いでいった船橋オートレース場は、この日永遠の眠りにつきました。
 さらば船橋オートレース場。僕は君を忘れない――


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エビフライ飯

Author:エビフライ飯
大阪府在住。男性。
発達障害の一種、高機能自閉症を抱える人間。
公営競技・野球・サッカーなどのスタジアムという空間が好きな自分です。
ファジアーノ岡山の本拠地・シティライトスタジアムに時々出没しています。



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