『光とともに…』作者・戸部けいこさん逝く
2010-01-30
去る1月28日、漫画家で『光とともに… 自閉症児を抱えて』の作者、戸部けいこさんが亡くなられました。
ここのところ掲載誌での休載が長く続いていたので、体調がお悪いということはうすうす察していましたが、まさかこのように死に至るほどのご病気だったとは。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
この『光とともに…』は、とかく誤解と偏見を持たれがちだった自閉症という障害をわかりやすく、かつ的確に伝えたという意味で、大きな功績を残した作品だったと思います。
この作品は自閉症児をお持ちの親御さんを中心に徐々に読者層が広がっていき、ついには自閉症に対する理解を深められるということで、中学校・高校の図書室にも置かれるようになったほどです。
思えば、この漫画の連載が始まったのは2000年。奇しくもこの年は、テレビで自閉症をテーマにしたドラマが2本、放映されたのでした。藤井フミヤ主演『天使が消えた街』と、ともさかりえ主演『君が教えてくれたこと』。私は当時、このドラマを2本とも見ていました。特に『君が教えて~』は、主人公が私と同じ高機能自閉症ということで、親近感を持って見ていたのを覚えています。
そしてその4年後、『光とともに…』もドラマ化されました。その出来はともかくとして(原作では男性である担任教師を女性にしてしまうなど、世界観が多少崩れていました)……主題歌の『万華鏡キラキラ』がとてもすてきなメロディーで、何度もよく聞いたものでした。
戸部さんが天に召されたということで、『光とともに…』は未完のままで連載を終えることとなります。「光くんが働く大人になるまで描き続ける」という戸部さんの思いは、残念ながらかないませんでした。
でも、ヘタに別の人に続きを描かせるより、このままにしておいたほうがよいと思います。おそらく戸部さんも、他人にストーリーをいじられることはお望みではないでしょう。光くんの未来は読者の皆様のご想像におまかせする、もうそれでいいと思うのです。
ところで、秋田書店はこの作品を文庫化して発売することを検討してもよいのではないでしょうか。
最近は単行本の初期分も在庫が少なくなってきていて入手が難しくなっているようですし、今回の訃報を受けて「最初から読んでみたい」と考える人が続出することも予想されます。そのような場合、文庫版だったら安く手軽に買えて、かつあまり置き場所をとらないというメリットがあります。
秋田書店の「社をあげての売り出し作品」のひとつだったでしょうから、文庫化は「アリ」だと個人的には思うのです。
世間への自閉症の認知に貢献、ドラマ化もされ、そして作者死去のために未完。このようなステータスを有する『光とともに…』は、おそらくのちのち伝説の漫画となることでしょう。
ここのところ掲載誌での休載が長く続いていたので、体調がお悪いということはうすうす察していましたが、まさかこのように死に至るほどのご病気だったとは。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
この『光とともに…』は、とかく誤解と偏見を持たれがちだった自閉症という障害をわかりやすく、かつ的確に伝えたという意味で、大きな功績を残した作品だったと思います。
この作品は自閉症児をお持ちの親御さんを中心に徐々に読者層が広がっていき、ついには自閉症に対する理解を深められるということで、中学校・高校の図書室にも置かれるようになったほどです。
思えば、この漫画の連載が始まったのは2000年。奇しくもこの年は、テレビで自閉症をテーマにしたドラマが2本、放映されたのでした。藤井フミヤ主演『天使が消えた街』と、ともさかりえ主演『君が教えてくれたこと』。私は当時、このドラマを2本とも見ていました。特に『君が教えて~』は、主人公が私と同じ高機能自閉症ということで、親近感を持って見ていたのを覚えています。
そしてその4年後、『光とともに…』もドラマ化されました。その出来はともかくとして(原作では男性である担任教師を女性にしてしまうなど、世界観が多少崩れていました)……主題歌の『万華鏡キラキラ』がとてもすてきなメロディーで、何度もよく聞いたものでした。
戸部さんが天に召されたということで、『光とともに…』は未完のままで連載を終えることとなります。「光くんが働く大人になるまで描き続ける」という戸部さんの思いは、残念ながらかないませんでした。
でも、ヘタに別の人に続きを描かせるより、このままにしておいたほうがよいと思います。おそらく戸部さんも、他人にストーリーをいじられることはお望みではないでしょう。光くんの未来は読者の皆様のご想像におまかせする、もうそれでいいと思うのです。
ところで、秋田書店はこの作品を文庫化して発売することを検討してもよいのではないでしょうか。
最近は単行本の初期分も在庫が少なくなってきていて入手が難しくなっているようですし、今回の訃報を受けて「最初から読んでみたい」と考える人が続出することも予想されます。そのような場合、文庫版だったら安く手軽に買えて、かつあまり置き場所をとらないというメリットがあります。
秋田書店の「社をあげての売り出し作品」のひとつだったでしょうから、文庫化は「アリ」だと個人的には思うのです。
世間への自閉症の認知に貢献、ドラマ化もされ、そして作者死去のために未完。このようなステータスを有する『光とともに…』は、おそらくのちのち伝説の漫画となることでしょう。
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