50年以上前にもあった、ジュニア用ハミガキの話
2022-06-05
6月4日から6月10日は「歯と口の健康週間」ということで、それにまつわる話をひとつ。
今年4月に、ライオン(株)から「小・中学生のジュニア向け」と称したハミガキ「クリニカ Jr.」が発売となりました。

小・中学生のジュニア期は、ちょうどこどもと大人の中間のような年頃であり、普段使用するハミガキに関しては、こども用を使うか大人用を使うか微妙な時期であります。こども用のフルーツ味のものは甘くてスッキリしないし幼く見られる、かといって大人用はミントの刺激が強くて使いづらい、という悩みが発生しているようです。
クリニカ Jr. は、そんなジュニア期のために「大人用とこども用の中間」のような仕様となっているハミガキです。「中間」に着目したこのハミガキ、いかほどのものかと思い私は実際に購入して試しに使ってみました(もはやジュニアですらない、いい大人ですが)。ミントですが刺激が少なく、甘さもひかえめでスッキリした香味。これで歯をみがいたあとはサッパリとします。これなら小・中学生にも使えそうだな、そう感じました。ミントが苦手という大人にもいいかもしれません。
このクリニカ Jr. を使ってみたという人たちの感想が、最近続々とネットに上がってきています。その中で散見されるのが
「こういう大人用とこども用の中間のものは、今までありそうでなかった」
というものです。クリニカ Jr. が初めてのジュニア用ハミガキなのでしょうか? そう思いいろいろと調べてみましたところ、判明しました。
“クリニカ Jr. が初めてではない”
実は56年前に、同じくライオンが「ジュニアダイヤフッソライオン」を発売していたのです。


当時のライオンの商品だった「ダイヤフッソライオン」のジュニア用です。つまりジュニア用ハミガキは今に始まった話ではなく、ライオンにとっては今年のクリニカ Jr. の発売は「ジュニア用ハミガキの再発売、復活」ということになります。この50年以上もの長い眠りは謎ですが。
また、1980年代初頭にも花王(厳密には花王コルゲートオーラルプロダクツ。当時の花王はアメリカのコルゲート社と業務提携していた)から「ジュニアコルゲート」が販売されていました。

当時花王から販売されていたハミガキ「コルゲート」は、大人用が「コルゲート」、小・中学生用が「ジュニアコルゲート」、幼児用が「こどもコルゲート」と分かれていました。花王とコルゲート社との業務提携は1985年で解消となり、それに合わせてこのジュニアコルゲートは消滅したようです。
ちなみに、クリニカ Jr. の祖となる初代の「クリニカライオン」が発売となったのは1981年のこと。そのときすでにジュニアコルゲートはありました。
しかしクリニカにはジュニア用は設定されず、まだこども用さえもなく大人用のみの発売でした。当時の広告の宣伝文によると、クリニカは「家族みんなでみがける、フルーティなペパーミントの香り」で、比較的マイルドな香味にしていました。クリニカが新発売当時ジュニア用やこども用を設定していなかったのは、最初から「家族で使える商品」を目指していたというのが理由かもしれません。
ジュニア用ハミガキひとつからも、いろいろなことが見えてくるものです。
今年4月に、ライオン(株)から「小・中学生のジュニア向け」と称したハミガキ「クリニカ Jr.」が発売となりました。

小・中学生のジュニア期は、ちょうどこどもと大人の中間のような年頃であり、普段使用するハミガキに関しては、こども用を使うか大人用を使うか微妙な時期であります。こども用のフルーツ味のものは甘くてスッキリしないし幼く見られる、かといって大人用はミントの刺激が強くて使いづらい、という悩みが発生しているようです。
クリニカ Jr. は、そんなジュニア期のために「大人用とこども用の中間」のような仕様となっているハミガキです。「中間」に着目したこのハミガキ、いかほどのものかと思い私は実際に購入して試しに使ってみました(もはやジュニアですらない、いい大人ですが)。ミントですが刺激が少なく、甘さもひかえめでスッキリした香味。これで歯をみがいたあとはサッパリとします。これなら小・中学生にも使えそうだな、そう感じました。ミントが苦手という大人にもいいかもしれません。
このクリニカ Jr. を使ってみたという人たちの感想が、最近続々とネットに上がってきています。その中で散見されるのが
「こういう大人用とこども用の中間のものは、今までありそうでなかった」
というものです。クリニカ Jr. が初めてのジュニア用ハミガキなのでしょうか? そう思いいろいろと調べてみましたところ、判明しました。
“クリニカ Jr. が初めてではない”
実は56年前に、同じくライオンが「ジュニアダイヤフッソライオン」を発売していたのです。


当時のライオンの商品だった「ダイヤフッソライオン」のジュニア用です。つまりジュニア用ハミガキは今に始まった話ではなく、ライオンにとっては今年のクリニカ Jr. の発売は「ジュニア用ハミガキの再発売、復活」ということになります。この50年以上もの長い眠りは謎ですが。
また、1980年代初頭にも花王(厳密には花王コルゲートオーラルプロダクツ。当時の花王はアメリカのコルゲート社と業務提携していた)から「ジュニアコルゲート」が販売されていました。

当時花王から販売されていたハミガキ「コルゲート」は、大人用が「コルゲート」、小・中学生用が「ジュニアコルゲート」、幼児用が「こどもコルゲート」と分かれていました。花王とコルゲート社との業務提携は1985年で解消となり、それに合わせてこのジュニアコルゲートは消滅したようです。
ちなみに、クリニカ Jr. の祖となる初代の「クリニカライオン」が発売となったのは1981年のこと。そのときすでにジュニアコルゲートはありました。
しかしクリニカにはジュニア用は設定されず、まだこども用さえもなく大人用のみの発売でした。当時の広告の宣伝文によると、クリニカは「家族みんなでみがける、フルーティなペパーミントの香り」で、比較的マイルドな香味にしていました。クリニカが新発売当時ジュニア用やこども用を設定していなかったのは、最初から「家族で使える商品」を目指していたというのが理由かもしれません。
ジュニア用ハミガキひとつからも、いろいろなことが見えてくるものです。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://ebifuraihan.blog40.fc2.com/tb.php/1192-bfb2a3e1